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映画とか旅とか大好きなQueen(バンド)の備忘録、時々ひとりごと

グランド・ブダペスト:ホテル

女性が好きそうな、ピンクの可愛いホテルでのお話、お話…


と、思っていると。ちょっと違うかな。
ユダヤ人・ツヴァイクの小説にインスパイアされたとあって、第二次世界大戦ヒトラーによる暗黒時代を彷彿とさせる設定を軸に、ホテルのロビーボーイの視点で、自分を引き立ててくれた伝説の(?)コンシェルジュのおかしくも哀しい生きざまを、アンダーソン監督が上手く、かるーく、シニカルに料理して見せている。
結構、えげつなく死んでく人たちもいますので(笑)その辺が苦手な方はそれなりに心してご覧ください。


グランド・ブダペスト・ホテル(初回生産限定) [Blu-ray]
あらすじ
1932年、品格が漂うグランド・ブダペスト・ホテルを仕切る名コンシェルジュのグスタヴ・H(レイフ・ファインズ)は、究極のおもてなしを信条に大勢の顧客たちをもてなしていた。しかし、常連客のマダムD(ティルダ・スウィントン)が殺されたことでばく大な遺産争いに巻き込まれてしまう。グスタヴは信頼するベルボーイのゼロ(トニー・レヴォロリ)と一緒にホテルの威信を維持すべく、ヨーロッパ中を駆け巡り……。 (Yahoo映画より抜粋)


ホテルにとっては大事な顧客の、お金持ちおばあちゃんたちを手玉に取る、文字通りのヤリ手コンシェルジュレイフ・ファインズが演じて、はまり役。007のMにとってかわるキャラより、彼には色男がやっぱり似あう。


ツヴァイクは「ベルばら」の原案となった「マリーアントワネット」の
伝記作家、という程度の知識しかないけれど、この映画を観て「心の焦燥」を読んでみたいなと思った。悲恋モノ、のようだけれど。


ドミトリーを演じるエイドリアン・ブロディが激昂してたたき割る絵画はエゴンシーレ。「あーあ、それ割っちゃうって…」と思ったのはワタシだけではないと思います。ドミトリーは、絵の価値もわからないバカ息子の象徴。
そんなちょっとした処に監督のこだわりというか、遊びゴコロがちりばめられた映画です。
一見おしゃれっぽいけど、毒があちこちにあって、ハッピーエンドかというと、そうでもない。クスっと笑えるけど、時々グロイ(笑)
だけどそのバランスが絶妙に収まっている、個人的には好きな映画です。