とある「べき」論
You really must see "GRAVITY" in IMAX/3D theater!
もし、映画館っていうハコモノに意思があったとしたら「ホラみろ、ここで観てよかっただろ?」ってニンマリしてそうな映画です。
「ゼロ・グラビティ」
テーマもプロットもシンプル。
だけど、観てると一緒になって息苦しくなってきたりする、ハラハラする、
ほっとする。
そのくらい、二人芝居、圧倒的な映像美、演出力に引き込まれた。
エンタテイメントの世界って、案外「べき」論がはびこっているんじゃないか。
それも特に、製作サイド、提供する側にあるというか。
「この空間でなければ成立しない演劇」
「3Dじゃないと感動が伝わらない映像」
「音響効果ばっちりのホールならではの演奏」
「今の(年齢・旬の雰囲気・演技力を持った)女優・俳優だからこそ演じられる役柄」
……などなど。
あの時のディカプリオだから、タイタニックとともに海の底に沈みゆくその姿に美を感じたんだしなー、とか。
宮崎あおいは確かに演技が上手いと思うけれど、ちょっとロリゴコロをくすぐる病弱なメガネ女子が持つ独特の透明感は、作品を演じた年齢じゃなきゃ醸し出せなかったはずだよなー、とか。これは、「ただ君を愛してる」を観ての感想ですが。
いろんな「べき」がパズルのようにピタっとはまった時に、「観てよかったな」っていう作品になるのかも。ちょっぴり、奇跡を感じる。